2010年12月21日火曜日

金沢市の景観研修

10月19日、金沢市の景観行政の講座に参加しました。


日本各地から金沢市に学ぼうと、まちづくりに燃える人たちが集まってきていました。



市役所で、担当者からレクチャーを受けてみますと、

加賀百万石の城下町に対するこだわりが半端じゃないことが分かりました。

金沢市の景観行政の始まりは、昭和41年に国が定めた「古都保存法」に始まるそうです。

この法律で、古都として認知されたのは、京都、奈良、鎌倉の3箇所のみ。

これに発奮したのが金沢市。その3箇所以外は古都じゃないのか!!ということです。

以後、

昭和43年に金沢市独自で「金沢市伝統環境保存条例」制定に始まり、

昭和52年「金沢市伝統的建造物群保存地区保存条例」

平成元年「金沢市景観条例」

平成6年「こまちなみ条例」

平成7年「屋外広告条例」

平成8年「用水保全条例」

平成9年「斜面緑地保全条例」

平成14年「寺社風景保全条例」

平成15年「景観条例」の改正

平成17年「沿道景観形成条例」「夜間景観形成条例」

平成21年「新景観条例」


景観と環境、生活空間や商業活動との折り合いに議論を発展させて

次々と積極的な文化行政を進めました。

まあ、金沢市の職員の人たちは大変だったろうと思いますねえ。

そのアイデンティテイへのこだわりと熱意には、講座への参加者一同、唸るばかりです。


そのあとに長町とひがしの茶屋街への現地視察に向かいました。

 

この写真に写っている用水。以前はこの上に蓋が架かっていて、

商用車、自家用車の駐車スペースになっていたそうで。

お商売の利害や生活の便利などを考えると、景観整備とはいえ

個々人の抵抗もあったろうにと推察しますが、

そんな壁を乗り越えて、城下町らしい景観を創出してしまった金沢市の行勢力はすごいもんです。














 
電柱はとっぱらって、地中化したことで、すっきりとした景観を生み出しています。

三国もこうして欲しいのです。

昔から土木行政は“コストが高い”の一声で議論に応じてくれません。

100年の計をもってすれば、可能かと思いますが。


街角の方向指示のデザインは、市内のどこも統一されています。



お茶するところもところどころにあります。
長町に続いて、ひがしの茶屋街へ行くとボランティアガイドの人が待ち受けてくれていました。



ひがしの茶屋街をガイド付きで散策するのは初めての経験でしたが、

ガイドさんならではの説明が聞けて、ひがしの茶屋街の新ネタが仕込めました。

無料で案内してくれるそうですから、皆さんもご利用されてはどうでしょうか。


金沢には学ぶところばかりですね。大変勉強になりました。

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