2010年9月3日金曜日

「瀬戸内国際芸術祭」の視察(小豆島編)

この夏の町おこし系では最大のイベント「瀬戸内国際芸術祭」へ視察に出かけました。


このイベントは、香川県の高松市、女木島、男木島、大島、直島、豊島、小豆島と岡山県の犬島を会場に
国際的に評価の高い現代美術作家の作品を、自然の中や建物の中に展示して、
広域的な美術パークとするものです。

この手法は、10年ほど前から新潟県の南魚沼一帯を会場として、3年に一度開催されてきた
「越後妻有現代アートトリエンナーレ」で実践されています。

上出議員は4年前の第3回目のトリエンナーレを体験しているので、
今回、その手法を別な地域に当てはめたときに
どのような効果が生まれるの調査するために
上出議員、田中議員、古屋議員の新人議員3人が視察を行なったのです。

出発したのは8月17日の午前6時50分のサンダーバード号。
京都駅で新幹線に乗り換えて、岡山駅に着いたのは午前10時前。
そこから新岡山港までバスで40分ばかり。


(新岡山港を出発した直後。大きなブリッジが見えました。)


新岡山港からフェリーに乗って70分後、小豆島土庄港へ12時30分到着。
岡山駅から小豆島の間の、バスとフェリーを合わせた料金は1200円。

あとで、高松市のイベント担当者のヒヤリングで分かったことは、
船に関しては船賃の半額をイベント実行委員会が補助しているということ。


小豆島に上陸したら、
芸術祭を目的にやってきた人の目に付きやすいところに、こんな看板がありました。

到着したのがお昼時なので、お腹が空いてすぐに食事へ行こうと思いましたが、
まずはこの日の小豆島内の視察計画を立ててからと案内事務所へ。



芸術祭が始まったのは7月19日から。
私たちが訪問した8月17日までに1ヶ月が経っているのに、
なんとなく案内事務所の人たちの対応がぎこちなく感じました。

私たちは、この日が芸術祭の初日なので、芸術祭全体の説明を望んでいるのに、
小豆島のバスの連絡のことしか知らないようです。

広域的なイベントの場合、統一的なガイダンスをするはずですが、
どうも、小豆島は観光客擦れしているようです。

この日に宿泊する「オーキドホテル」は土庄港ターミナルの目の前にあったので、
そこに荷物を預けて昼食をとることに。

3人はとにかく、まったく小豆島のことを事前学習しないでやってきてるので
ホテルのレストランのスタッフに小豆島の名物料理を尋ねたら、
「手延べそうめん」とのことなので、そのセットを注文。

茹で方もちょうどよく、なかなか美味でした。

さて、いよいよ、国際芸術祭の小豆島分を見学です。

小豆島は大きな島で、島の西側が土庄町、東側が小豆島町。
出品作品の展示会場は、歌舞伎舞台や棚田がある
中山地区、肥土山地区が中心でした。

土庄港ターミナルからバスで15分くらい里山を上っていくと、
中山地区に到着。

中山地区には旧農協倉庫のなかに「つぎつぎきんつぎ」という作品が。


これが3人が見た最初の作品です。
中山地区に住む人たちが使わなくなった皿やら徳利やら灰皿などを金接ぎの技法を用いて
現代アート作品としています。

ここから肥土山地区まで約2キロほど、土庄へ戻るように歩いて、
その途中に点在する出品作品を鑑賞しながら、
小豆島の風土を味わいつつ、
この国際芸術祭を見るためにはるばる遠方から集まってきた
観光客の動態と地元の人たちの接し方などを観察しました。



この芸術祭を通じての白と空色のストライプでデザインしたガイドプレート。
こうした野外イベントの場合、トイレの配慮も大切なことです。


 中山地区には千枚田と呼ばれる棚田若船に選ばれた景色があります。
 小さな稲穂をつけたくらいの時期で、モザイクのような景観です。

道路から棚田のほうへ降りていくと竹で編んだ大きな建物が見えました。


高さ10~15メートルの変形ドームは王文志さんの作品です。
脱穀された籾殻のイメージだそうです。
私たちが着いたときには中国の民族楽器を演奏してました。


竹のドームからも元の道路まで駆け上って戻ったところに
中山農村歌舞伎舞台がありました。
桟敷が階段状になっています。


 

中山農村歌舞伎舞台の横に設けられていたのは、香港大学のブース。
農家の作業小屋をカフェのように改造して休憩スペースにしています。

猛暑の中を徒歩で行くんですから、水分を取らないとね。


そこから、沢のほうへ降りていくといくつかの作品がありました。

そして、再び道路に戻るところが、肥土山地区です。


 

ここにも農村歌舞伎の舞台があります。
中を覗けるようになっているので入ってみたら、
次の公演の打ち合わせをしてました。

上出議員はみくに文化未来館の建設に携わっていたので、
舞台天井の吊り具や仕組みをじっくり見てました。



さらに5分ほど道路を歩いたら、旧大鐸小学校があります。


図書室には瀬戸内周辺の各地600箇所から採集した
色とりどりの土が20センチ四方の大きさに象られていました。

これも現代アートです。

ちなみに、ここだけはエアコンが効いていて約30分ほど涼みました。



 小学校のすぐ横にある倉庫も展示会場に使用されていました。
ここに座って受付をしている方は土庄町の職員かと思って質問をしてみましたら、
その方は県庁職員で、普段は土木部の仕事だそうです。

当番制で順につめているそうです。
県が地元以上にイベントをリードしていることがわかりました。
ほかのとこにいたのは、ボランティアの人たちでしたから、

逆にいえば、地元の人たちと県の人たちとの温度差を感じるのです。



翌日の朝、ホテルの部屋から撮影した土庄港の様子。
なんだ若狭の小浜港とよく似た感じがしました。


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