2010年9月6日月曜日

「瀬戸内国際芸術祭」を視察(男木島)

直島を高速艇で午後3時15分に発って、約20分。




男木島は小さな島で、
港のある一帯の斜面に人家がへばりつくように建っています。

この写真に写っている部分だけが住居ゾーンです。


男木島港に到着したら、直ぐに入りたくなる建物があります。
インフォメーションセンターの役割を果たす、
ジャウメ・プレンサの「男木島の魂」と題した作品。
屋根には日本語、アラビア語、ヘブライ語、中国語などをデザインして組み合わせ
光がたっぷり入る半透明な空間を作っています。
今回のために建てられ、これから以後も「交流館」として使用されるそうです。
いわば、イベントによってインフラ整備されたということですね。


男木島で最初に見た作品は、海辺にある旧公民館の室内を使った巨大な心象風景画。
鏡を用いて、空間を広く見せています。

現代アートに鏡は必須アイテムですね。虚と実を視覚的に行ったり来たり出来ますから。



次の作品は全て、斜面で坂になっている細い路地を通ってたどり着く民家にあります。



冠木門のある家なので、、この島では比較的格の高い家でしょうか。
この家には「想い出玉が集まる家」という作品が展示されています。

島人たちが想い出があって捨てられない新聞雑誌、手紙などの類を持ち寄って
これを玉に丸めてデコレイトし、インスタレーションされています。


 
路地のいたるところに壁財を彩ったペイントがあり、
散策にアクセントをつけています。


斜面を利用して家を建てているので、その土台には石垣が組まれていまして、
これが、この島の風土的景観の基礎を形成しています。
剥がれている壁板を見たら、それは船板を使ったものでした。


これは、屋内に島の竹で作ったサウンドオブジェ。



この展示は、性と死をテーマとしているようで、
今回見た中ではもっともシュールでした。好みが分かれそうです。



作品を展示している家には、入り口にこんなサインが。

ここは、残念なことに閉館していて見れませんでしたが、
「漆の家プロジェクト」という作品です。



この島の人口は何百人といった程度でしょうか。
歩き回って見かけた島民の方々は皆さん高齢でいらっしゃいました。

当然、廃屋や、取り壊された更地となったところもあります。

これは、その更地に置かれたサウンドオブジェ。


坂道で路地が細いので、物を運ぶときに「乳母車」(オンバ)を使うそうで、
それに目をつけて、アート作品に仕立てる工房が設けられていました。


アート作品散策の途中で見かけた井戸。
急な斜面での生活に、水はどうするんだろうとおもっていたところで、
この井戸に出くわしました。きっと、深いんでしょうね。



高松港へ向かって出発するする時間が午後5時ちょうど。
その次の便だと午後8時が最終です。
なので、男木島では作品鑑賞の時間が1時間強しかなく、
一気呵成に歩き回りました。
そのおかげで帰りのフェリーの中ではぐったりでした。

因みに、男木島を出航したフェリーは約20分ほどで女木島港へ立ち寄り、
そこから高松港まで約20分ほどかかりました。

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